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​施術とアロマミストのこと

施術室ともう1つ、より日常に寄り添える何かを作ろうと思った。

これがあれば心が落ち着く、自分を取り戻せる、眠りやすい....など日常のおまもりみたいなもの。

どんなアイテムを作るか決めるまでとても悩んだが、ミストなら手軽でかつ男女問わず使いやすくひと吹きすればその場の空気に変化をもたらすことができて、舞った香りを嗅ごうとすることで空気を大きく吸い込み、深く呼吸をすることができる。

呼吸を意識することでずいぶんと不調が緩和された経験が自分自身実際にある。

十代の頃からひどい頭痛に悩まされていた。頭痛外来の名医を訪ねて病院をまわる中で、鍼灸やマッサージには心身ともにとても救われ、毎日行けたらどんなにいいだろうと思った。

日常生活に支障をきたすほどの痛みは、この先社会に属して生活をしていくことが難しいのではないかという気持ちにもなってくる。

途方に暮れる中で、症状改善の根本の1つに「呼吸」が関係していることを知った。呼吸なんてあたり前のものでこの症状が良くなるわけがないと思いながら藁をもすがる思いで "鼻からゆっくり吸って鼻から吐く" という呼吸法を意識した生活を続けてみているうちに、頭痛の頻度が少し減ってきていることにある日ふと気づいた。人はよくなってきたことには気づきづらいものだ。

思えば、日常的にとても浅い呼吸をにしていたように思う。考えごとや緊張している時は上半身に力が入り、空気をうまく吸い込めず、ぎゅっと息をとめてしまっているような状態に近かった。今でも頭痛は起きやすい方ではあるのだが呼吸の仕方を意識するようになってからはあきらかに変わった。

施術室ではカウンセリングで選んだ精油(エッセンシャルオイル)を蒸気が立ち上るお湯の中に垂らし、施術中のうつ伏せの体制時に顔の下に置いて芳香浴をしてもらうようにしている。そうすることで鼻からそれを吸い込み、より深い呼吸を意識することができる。​実際、精油をマッサージオイルの中にいれるだけではせっかく選んでもらった香りを感じづらいので、存分に感じてもらえる良い方法だ。

施術後はお客様の表情がやわらぎ​、そのあとよく眠れたなどの報告をいただけるとなんとか穏やかな状態が続いて暮らしていけますようにと願うのだが、現実の生活はそうやさしいものではないし、施術も頻繁に来られるものではないこともわかっている。

毎日をおくっていく中で、心の置き所になってくれる身近ななにか。小さくても力になれるようなこと。

不調を抱える自分に疲れ果ててしまった人に寄り添えるような。それでもあきらめずに良い方へ向かう道を探している人の支えになれるような。

そういう場所やものを作りたかった。​これが施術室とアロマミスト作りの根底の動機。​​​​​​​

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